地震学を社会に伝える連絡会議 (2014年9月)
このページは、公益社団法人日本地震学会会員を対象として、会員が日本の地震予知・予測研究に関する理解を深めるために 国による地震予知研究計画を中心とした歴史を紹介するものです。旧地震予知検討委員会が作成しました。極力主観を排して、事実だけを述べるように努めました。また、必要に応じて両論併記しました。追加・修正点があれば、具体的な理由や文案と共に「地震学を社会に伝える連絡会議」までお寄せください。会員から頂いた追加・修正案も踏まえながら、本ページは適宜更新していく予定です。
なお、リンクで*のついているものは、旧地震予知検討委員会でとりまとめたものです。
地震予知の実現可能性を明らかにするためにはどの程度の観測研究が必要であるかを、時の科学技術の水準で実現可能な計画として提案したもの。
内容
参考文献
公益社団法人日本地震学会2012年秋季大会特別シンポジウム実行委員会編,(2013),「ブループリント」50周年地震研究の歩みと今後,日本地震学会モノグラフ,2.
概要
内容と主な出来事
参考文献
日本学術会議地球物理学研究連絡委員会地震予知小委員会,文部省特定研究災害科学総合研究班地震予知分科会(1968),地震予知研究シンポジウム論文集.
内容と主な出来事
参考文献
日本学術会議地震学研究連絡委員会・地震学会 (1973),地震予知研究シンポジウム論文集.
内容と主な出来事
第3次計画見直し(1975)
内容と主な出来事
第3次計画の再見直し(1976):1976年に発表された東海地震説を受けたもの。
内容と主な出来事
参考文献
日本学術会議地震学研究連絡委員会・地震学会(1976),地震予知研究シンポジウム論文集.
内容と主な出来事
参考文献
日本学術会議地震学研究連絡委員会・地震学会,1980,地震予知研究シンポジウム論文集.
萩原尊禮,1982,地震学100年,東京大学出版会,233pp.
内容と主な出来事
参考文献
日本学術会議地震学研究連絡委員会・地震学会(1987),地震予知研究シンポジウム論文集.
Mogi, K.(1986), Recent Earthquake Prediction Research inJapan, Science, 233, 4761, 324-330.
内容と主な出来事
参考文献
日本学術会議地震学研究連絡委員会・日本地震学会 (1994),地震予知研究シンポジウム論文集.
内容と主な出来事
* 第1~7次計画のレビューが行われた。
参考文献
日本学術会議地震学研究連絡委員会・地震学会(1997),地震予知研究シンポジウム論文集.
特集「大地震の長期予測はどこまで可能か」(1998),地震2,50,別冊.
概要
地震を発生させるプレート境界や活断層にどのように力(応力)が集中していくか、地震の発生に向けてどのようなことがプレート境界や活断層で起きているか、さらに地震が発生したときのプレート境界や断層のすべりについて一連の過程として理解し、定量的なモデルに基づいて予測をすることを目指した。
内容と主な出来事
内容と主な出来事
参考文献
Hirata, N. (2004), Past, current and future of Japanesenational program for earthquake prediction research, EarthPlantets Space, 56, xliii–l.
総合報告:地震発生の短期・直前予測(第1部)(2005),地震2, 58, 3.
総合報告:地震発生の短期・直前予測(第2部)(2006),地震2, 59, 1.
日本地震学会地震予知検討委員会(2007),地震予知の科学,東京大学出版会.
文部科学省科学技術学術審議会測地学分科会のホームページ
内容と主な出来事
参考文献
文部科学省科学技術学術審議会測地学分科会のホームページ
公益社団法人日本地震学会東北地方太平洋沖地震対応臨時委員会編(2012),地震学の今を問う,日本地震学会モノグラフ,1.
公益社団法人日本地震学会2012年秋季大会特別シンポジウム実行委員会編,(2013),「ブループリント」50周年地震研究の歩みと今後,日本地震学会モノグラフ,2.
概要
参考文献
上記建議の用語集。
地震予知連絡会は、1968年の閣議了解及び文部省測地学審議会による第二次地震予知計画の建議に基づき、地震予知計画担当機関の情報交換と情報の総合的判断のために、1969年4月に国土地理院を事務局として、設立されたものである。地震予知連絡会は、主に地震予知計画を担当する大学、研究所、国の機関に所属する委員からなり、年4回の定例会に加えて、臨時会や地域部会などを開催して 現在に至っている。地震予知連絡会の設立当初は、大きな地震が発生した後の統一見解や、異常な現象が観測された場合の見解をまとめ、社会に対して発表する役割も担っていた。また、持ち寄った情報を基に、観測の強化や集中などの学術的判断を下すことも任務とされた。その1つの例として、地震予知連絡会では過去に大地震の記録がある地域等を特定観測地域、観測強化地域として全国10地域を、1970年2月に指定した。その後1978年8月には地域指定が見直され、2つの観測強化地域と8つの特定観測地域が指定された。
地震調査研究推進本部(地震本部)の発足後は、その役割が見直され、予知連の目的は情報交換と学術的検討に特化することとなった。また地域指定についても、全国的な基盤的観測網の整備や地震本部の重点的調査観測の選定、地殻活動の過程全体を理解して地震を予測するというように 地震予知研究の主流が変わってきたことから、2008年2月に指定を解消することとなった。地震予知連絡会では、発足以来、地震予知に関わる社会の要請に応えるため、そのあり方や運営方針等を変革してきており、その役割も変化しているといえる。現在では、地震予知研究にとって興味深い現象や問題等を「重点検討課題」として選定し、これについて集中的に検討することで、「地震活動・地殻変動等に関するモニタリング結果を中心とした情報交換を行い、モニタリング手法の高度化を検討する」という科学技術・学術審議会の建議に応じた役割を果たしている。
参考文献
萩原尊禮(1997),地震予知と災害,理科年表読本,丸善
地震予知連絡会編(1979),地震予知連絡会10年の歩み,国土地理院
地震予知連絡会編(1990),地震予知連絡会20年の歩み,国土地理院
地震予知連絡会編(2000),地震予知連絡会30年の歩み,国土地理院
地震予知連絡会編(2009),地震予知連絡会40年の歩み,国土地理院
大規模な地震による災害から国民の生命、身体及び財産を保護するため、地震防災対策強化地域の指定、地震観測体制の整備その他地震防災体制 の整備に関する事項及び地震防災応急対策その他地震防災に関する事項について特別の措置を定めることにより、地震防災対策の強化を図り、もつて社会の秩序の維持と公共の福祉の確保に資することを目的とした法律。
東海地震に関連する情報
毎月の定例の地震防災対策強化地域判定会(通称:判定会)で評価した東海地域の地震活動や地殻変動の状況の調査結果や、観測データに通常とは異なる変化が観測された場合に東海地震に結びつくかどうか調査した結果を「東海地震に関連する情報」で発表
余震の見通し
大きな地震の発生後に、余震の発生状況や、今後の余震活動の見通し、警戒・注意すべき事柄などを解説する情報
伊豆東部の地震活動の見通しに関する情報
伊豆東部で群発的な地震活動が発生した際に、地震調査研究推進本部地震調査委員会がとりまとめた「伊豆東部の地震活動の予測手法」に基づいて地震活動の見通しを評価し、「伊豆東部の地震活動の見通しに関する情報」を発表
地震調査研究推進本部の「地震に関する基盤的調査観測計画」(1997(平成9)年8月29日)において、以下の項目が地震に関する基盤的調査観測と位置づけられ、推進されてきている。基盤的観測網の設計思想やその展開・データ流通については、過去の地震予知研究の観測におけるノウハウが生かされた。この観測網のデータは公開され、広く利用されている。
(1)地震観測
(1-1)陸域における高感度地震計による地震観測(微小地震観測)
(1-2)陸域における広帯域地震計による地震観測
(2)地震動(強震)観測
(3)地殻変動観測(GPS連続観測)
(4)陸域及び沿岸域における活断層調査
このうち、「陸域における高感度地震計による地震観測」は防災科学技術研究所により高感度地震観測網(HighSensitivity Seismograph Network of Japan: Hi-net)、「陸域における広帯域地震計による地震観測」は同・広帯域地震観測網(Full RangeSeismograph Network of Japan: F-net)、「地震動(強震)観測」は同・強震観測網(KyoshinNet: K-NET、Kiban-Kyoshin Net: KiK-net)、「地殻変動観測(GPS連続観測)」は国土地理院によりGNSS連続観測システム(GNSS Earth Observation Network System: GEONET)として整備・運用されている。
○Hi-net
全国約800カ所に観測点が整備されている。標準的な観測点は、深度100mのボアホールの孔底に、高感度地震計・強震計・高感度加速度計(傾斜計)が、地上の建屋内にデータロガーや通信機器等が設置されている。
参考文献
Obara, K., K. Kasahara, S. Hori, and Y. Okada(2005), A denselydistributed high-sensitivity seismograph network in Japan:Hi-net by National Research Institute for Earth Science andDisaster Prevention, Review of Scientific Instruments, 76, 2,021301.
Okada, Y., K. Kasahara, S. Hori, K. Obara, S. Sekiguchi, H.Fujiwara, and A. Yamamoto(2004), Recent progress of seismicobservation networks in Japan --Hi-net, F-net, K-NET andKiK-net--, Earth Planets Space, 56(8), xv–xxviii.
汐見勝彦, 小原一成, 針生義勝, 松村稔(2009), 防災科研Hi-netの構築とその成果, 地震2, 61, 特集号,S1-S7.
○F-net
全国約70カ所に観測点が整備されている。標準的な観測点は、30~50m程度の横抗内に、広帯域地震計と速度型強震計、およびデータロガーや 通信機器等が設置されている。
参考文献
松本拓己, 堀貞喜, 松林弘智(2009), 広帯域地震観測 --防災科研F-netの10年--, 地震2, 61,特集号, 9-18.
Okada, Y., K. Kasahara, S. Hori, K. Obara, S. Sekiguchi, H.Fujiwara, and A. Yamamoto(2004), Recent progress of seismicobservation networks in Japan --Hi-net, F-net, K-NET andKiK-net--, Earth Planets Space, 56(8), xv–xxviii.
○K-NET,KiK-net
被害をおこすような強い揺れを確実に記録するための観測網。K-NETは、全国約1000ヶ所の地表に設置した強震計からなる。KiK-netは、 Hi-net観測点の地表と地中に設置された強震計から構成される。これらの観測網のデータ等は、地震ハザード・被害リスク評価などに 役立てられている。
○GEONET
全国約1200カ所に観測点が整備されている。標準的には高さ5mのピラー上部にアンテナが、ピラー内部にGNSS受信機、通信機器等が 設置されている。
参考文献
中川弘之・他(2009), GPS連続観測システム(GEONET)の新しい解析戦略(第4版)によるルーチン解析システムの構築について, 国土地理院時報, 118, 1–8.
西村卓也(2009), 陸域地殻変動観測の現状, 地震2, 61, 特集号, S35-S43.
Sagiya, T.(2004), A decade of GEONET: 1994-2003 --Thecontinuous GPS observation in Japan and its impact on earthquakestudies--, Earth Planets Space, 56(8), xxix–xli.
多田堯・鷺谷威・宮崎真一(1997), GPSでみた変動する日本列島, 科学, 67, 12, 917-927.