• トップページ
  • NEWS & TOPICS
  • 【日本学術会議】7月29日幹事会及び記者会見の御報告

【日本学術会議】7月29日幹事会及び記者会見の御報告News & Topics


会員、連携会員、協力学術研究団体 各位

日本学術会議事務局

平素より大変お世話になっております。

2024年7月29日、第369回幹事会を開催するとともに、記者会見を行いました。
今回の幹事会では、国際アドバイザリーボードの開催や各種委員会・分科会の委員等について決定しました。

記者会見では、冒頭の光石衛会長の挨拶(下記のとおり)におきまして、日本学術会議の在り方に関する有識者懇談会等への対応状況、第26期日本学術会議アクションプランの取組状況等について御説明いたしました。

幹事会資料及び記者会見で配布した資料は、日本学術会議のホームページに掲載しております。

記者会見冒頭の光石衛会長の挨拶

本日は日本学術会議の記者会見にお集まりいただきまして誠にありがとうございます。冒頭、私(会長)から、いくつかご報告をしたいと思います。

日本学術会議の在り方に関する有識者懇談会について

本日、日本学術会議の在り方に関する有識者懇談会の第12回会合が開催され、日本学術会議から私(会長)ほか数名が出席してまいりました。本日の会合では、まず、組織・制度WGと会員選考等WGの議論の状況についてそれぞれの主査から報告がありました。続いて、第26期アクションプランの取組状況について、私(会長)から説明いたしました。この取組状況につきましては、後ほど詳細を説明いたします。続いて、海外アカデミーへの質問事項の回答及び両WGの「これまでの議論と今後の検討」に関して内閣府から説明があり、その後、意見交換となりました。

意見交換では、私(会長)から、主に次のように意見を申し述べました。次に申し上げますことは、内閣府のWebサイトにも掲載されていますので、それをご覧いただければと思います。

まず、6月7日の第11回有識者懇談会に「より良い役割発揮のための制度的条件」と題する文書を提出し、法人化をめぐる論点について懸念する点を表明いたしましたが、その後の各WGでの議論において、同文書により指摘した懸念は、依然として払拭されていないこと。

とりわけ、次の5項目は、「近視眼的な利害に左右されない独立した自由な学術の営みを代表するアカデミーの活動」を阻害するもので、到底受け入れられないこと。

  1. 大臣任命の監事の設置を法定すること
  2. 大臣任命の評価委員会の設置を法定すること
  3. 『中期目標・中期計画』を法定すること(独立行政法人のようなものは認めがたい)
  4. 次期以降の会員の選考に特別な方法を導入すること(コ・オプテーションの考え方の逸脱になる)
  5. 選考助言委員会の設置を法定すること

「より良い役割発揮のための制度的条件」において指摘した懸念が払拭されるよう、この5項目を満たす案も俎上にのせた上で、さらに議論を深めることを強く求めること。

また、これらの懸念が十分に払しょくされない方向で、本日の有識者懇談会において取りまとめが行われる場合には、日本学術会議として重大な決意をせざるを得ない、とも申し上げましたが、本日の有識者懇談会では、そのような取りまとめが行われることはなかったものと認識しております。

加えて、本日の資料におきましては、「今後、具体的な制度設計を進める中で、引き続き日本学術会議の意見もよく聴きながら丁寧に議論していきたい」とされております。現時点では、有識者懇談会の方向性と学術会議の考え方には隔たりがありますが、日本学術会議の懸念が払しょくされるよう、引き続き有識者懇談会及びWGの議論に参画してまいりたいと思います。

アクションプランの取組状況

続きまして、第26期日本学術会議アクションプランの取組状況についてご説明いたします。お配りしております資料をご覧ください。この資料は本日の有識者懇談会でも配布・説明したものです。

2ページをご覧下さい。昨年12月の臨時総会において説明いたしましたアクションプランの骨子であります。これに基づき、それぞれの取組状況や検討状況を説明いたします。

1. タイムリー、スピーディな意思の表出と助言機能の強化

3ページをご覧ください。「タイムリー、スピーディな意思の表出と助言機能の強化」についてです。課題解決型の助言機能強化については速やかな意思の表出に向けて取り組んでいる課題があり、次のページで説明します。そのほかにも、査読プロセスの改革による迅速化・見える化、システム活用を含む発出した提言等の確実なフォローアップ及び横展開などについて取り組みつつ、更なる方策を検討しているところです。

4ページをご覧ください。現在、特に速やかな意思の表出に向けて取り組んでいる課題です。科学技術・イノベーション基本計画につきましては、第7期計画に向けた提言について、本年9~10月頃の発出を目指して審議中です。

食品制度については、「紅麹(べにこうじ)」の問題をきっかけとした課題ですが、本年10月頃の発出を目指して審議中です。

生成AIについては、生成AIを受容・活用する社会の実現に向けた提言について、本年11月頃の発出を目指して審議中です。

量子技術については、本年11月頃の発出を目指して審議中です。

カーボンニュートラルにつきましては、課題別委員会において、来年夏頃の発出を目指して審議中です。

これらの発出時期については、現時点の見込みのため、審議の状況等によっては今後変更の可能性があることにご留意ください。

また、防災・減災については、本年3月に公開シンポジウム「令和6年能登半島地震3ヶ月報告会」及び「人口減少社会と防災減災」を開催するなどの活動を行っておりますので、併せて紹介いたします。

2. 学術の発展のための各種学術関係機関との密接なコミュニケーションとハブとしての活動強化

続いて5ページ目をご覧ください。「学術の発展のための各種学術関係機関との密接なコミュニケーションとハブとしての活動強化」についてです。「未来の学術振興構想」については次ページで紹介します。研究力強化については、課題別委員会の設置を調整中であります。その他、学協会との更なる連携の強化に向けた方策について引き続き検討をしております。

6ページをご覧ください。今後20~30年頃まで先を見据えた学術振興の複数の「グランドビジョン」と、その実現の観点から必要となる「学術の中長期研究戦略」から構成される提言「未来の学術振興構想」を昨年9月に取りまとめ、公表したところです。この提言は、科学者コミュニティからの自由な発想に基づくボトムアップを重視して、「学術の中長期研究戦略」の提案を公募して作成したものです。この「未来の学術振興構想」については、本年10月4日に学術フォーラムを開催することとしております。詳細が決まりしだい、改めて記者会見でご紹介いたします。

3. ナショナルアカデミーとしての国際的プレゼンスの向上

続いて7ページ目をご覧ください。「ナショナルアカデミーとしての国際的プレゼンスの向上」についてです。国際アドバイザリーボードについては次のページで紹介をいたします。その他にも、世界のリーディングアカデミーとの連携、アジア学術会議を軸としたアジア地域におけるリーダーシップの発揮、主要国若手アカデミー間の国際連携活動等を通した次世代育成に向けて具体策を検討しております。

8ページ目をご覧ください。国際アドバイザリーボードについては、海外のナショナルアカデミー等との連携の強化、及び日本学術会議の国際活動への助言等を目的として開催することとし、本日の幹事会において要綱を決定しました。初回会合については、本年10月に開催予定ですが、会合のテーマや運営の詳細等につきましては現在調整中です。

4. 産業界、NGO/NPOをはじめとする多様な団体、国民とのコミュニケーションの促進

続いて9ページ目をご覧ください。「産業界、NGO/NPOをはじめとする多様な団体、国民とのコミュニケーションの促進」についてです。詳細は次ページ以降で説明いたします。

10ページ目をご覧ください。産業界との対話の取組として、産業界に所属する会員と企画WGのメンバーとの意見交換を実施予定としております。加えて、産業界の視点から学術会議へ期待することなどをテーマとして、COCNとの意見交換を実施することとし、現在日程等を調整しております。

11ページ目をご覧ください。国民とのコミュニケーションの促進として、来月7日及び8日に、各府省庁で行っている「こども霞が関見学デー」を日本学術会議でも実施することといたしました。こども・若年層に向けて、日本学術会議を広く知ってもらう機会も設けたいということで、生き物や宇宙をテーマにしたこどもにもわかりやすい講演、ミニゲームなどのプログラムを企画しております。日本学術会議としては初の試みですが、すでにかなり多くの参加申し込みをいただいているところです。

5. 学術を核とした地方活性化の促進

続いて12ページ目をご覧ください。「学術を核とした地方活性化の促進」については、地方学術会議等を活用した地方活性化に向けた取組ができないか、引き続き検討を進めております。

6. 情報発信機能の強化

「情報発信機能の強化」につきましては次ページで説明します。13ページ目をご覧ください。情報発信機能の強化として、日本学術会議Webサイトの充実を図ることとしております。国民に向けたわかりやすい動画を順次作成・公開することとし、まずは第1弾として会長メッセージ動画を公開いたしましたので、是非Webサイトをご覧ください。また、テーマ別に知りたい情報を見やすくした「特集サイト」を順次作成していく予定としました。

また、今回のWebサイトの充実も含め、日本学術会議アドバイザーとして、広報・コミュニケーションのプロフェッショナルに広報委員会等における検討やコンテンツ作成へ参画いただいており、広報機能の強化に向けて更なる活用を図ってまいりたいと思います。

7. 事務局機能の拡充を含む企画・執行体制の強化

続きまして14ページ目をご覧ください。「事務局機能の拡充を含む企画・執行体制の強化」についてです。すでに企画WGを設置してアクションプランの推進を図っているところですが、その他にも、会長・副会長のリーダーシップをより発揮するための方策の検討や、若手専門人材の活用による事務局機能の強化を進めてまいりたいと考えています。


以上がアクションプランに関する取組状況の紹介となっております。まだ検討中の取組も多くありますが、すでに実施可能なものは取り組みつつ、予算要求も含めて引き続き検討を進めてまいりたいと思います。今後も随時説明の機会を設けたいと思いますので、ご支援のほどよろしくお願いいたします。

最後に、学術フォーラム・公開シンポジウム等につきまして、申し上げます。今後の公開シンポジウム等の開催予定については、日本学術会議のWebサイトに掲載しておりますのでご覧いただければと思います。

ページ最上部へ