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【日本学術会議】会長メッセージ「学術の発展とより良い役割発揮のために、広く関係者を交えた開かれた協議の場を」の発出についてNews & Topics


会員、連携会員、協力学術研究団体 各位

日本学術会議事務局

平素より大変お世話になっております。
先週末に政府が日本学術会議法改正案の今国会への提出を見送ることを表明したことを受け、今般、会長メッセージ「学術の発展とより良い役割発揮のために、広く関係者を交えた開かれた協議の場を」が発出されました。以下よりご確認ください。

会長メッセージ
「学術の発展とより良い役割発揮のために、広く関係者を交えた開かれた協議の場を」

令和5年4月27日
日本学術会議会長 梶田 隆章

既に報道等でご存じのように、4月20日、政府は検討中の日本学術会議法改正案の今国会への提出を見送ることを表明しました。この間、拙速な法改正の動きや改正法案の内容について、日本学術会議のみならず、多数の学協会等から懸念の表明が続きました。さらに、日本学術会議の歴代の会長や内外のノーベル賞等受賞者からも拙速な法改正を思いとどまり、対話をすべきという声明が寄せられました。政府も「このまま法案を閣議決定した場合、学術界と政府との決定的な決裂を招く恐れもある」と、今回の見送りの理由を述べています。みなさまのご支援にあらためて感謝する次第です。

しかし、政府はこれを機に、今の政府案に加え、「学術会議自ら主張している5要件を満たし、学術会議がその独立性の参考とする主要先進国G7参加国並みの制度・体制等を持った特殊法人などの民間法人とする案」も検討の対象とすると表明しています。また、日本学術会議担当の後藤大臣は、総理から改めて学術会議と丁寧に議論し、早期に結論を得るよう指示されたと述べています。

日本学術会議としては、先日(4月18日)の総会において会員が全会一致で議決した政府への勧告において述べているように、「日本学術会議のあり方を含め、さらに日本の学術体制全般にわたる包括的・抜本的な見直しを行うための開かれた協議の場を設けるべき」と考えています。日本学術会議を政府機関にとどめるか、民間法人とするかという論点に限定せず、日本の学術の発展のために真に求められることを、必要かつ十分な時間をかけて検討するために、広く学術に関わる関係者を交えた開かれた協議の場を作ることを求めていく所存です。

日本の学術を今後も発展させるために、そして、社会に貢献するという学術の役割を発揮するために、学術界と政府との間の信頼関係を回復することが今こそ求められています。日本学術会議は、2021年4月に総会が決定し、公表した「日本学術会議のより良い役割発揮に向けて」に基づき、社会に対する責任を果たすために、自ら改革を着実に実行しており、今後も続けてまいります。そして私は、日本の学術の発展を実現し、社会において学術がよりよい役割を発揮するための検討の場とするという強い決意を持って、これからの協議の場に臨みたいと考えています。

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