FAQ 7-2. 地震に関わる仕事に就くには?(2015年9月修正)FAQ

質問

地震学者とはどんな職業ですか?

回答

地震の研究は、地震の観測で得られた地震波を解析する、地殻変動量や電磁気、地下水位などを観測する、活断層や地質構造を調査する、岩石実験やコンピュータで地震をシミュレートする、などいろいろな角度から行なわれています。これらの研究の基礎になっているのは、物理学・地学・数学の知識です。 現実の研究者でも得手不得手がありますが、高校レベルでは物理学・地学のどちらかは履修しておく必要があります。数学の知識は理論的な研究には必須です。さらに、英語は論文の読み書きや外国研究者とのやりとりにおいて必要不可欠です。

大学では地震の研究は、理学部なら地球惑星科学科(専攻)・固体地球物理学講座・地球物理学科・地球(惑星)システム学科・地球科学科・地球学コース・環境学研究科・地球環境科学科などで、工学部なら建築学科・土木学科などで行なわれることが多いです。最近は複雑な名前の学部学科も増えているので例外も多数です。大学で地震の研究を希望するなら、地震の研究をしている大学は限られることに注意する必要があります。

一例として、2015年7月時点で、地震学会員が5人以上の大学や公的機関をあげてみると(数字は会員数)、

大学
東京大学(146)・京都大学(82)・東北大学(68)・名古屋大学(42)・北海道大学(31)・東京工業大(19)・九州大学(18)・神戸大学(15)・千葉大学(14)・大阪大学(13)・筑波大学(13)・立命館大学(13)・高知大学(12)・金沢大学(11)・岡山大学(8)・広島大学(7)・岐阜大学(7)・横浜市立大学(7)・鹿児島大学(7)・首都大学東京(7)・静岡大学(7)・早稲田大学(7)・信州大学(6)・愛知工業大学(6)・愛媛大学(5)・琉球大学(5)・秋田大学(5)・関西大学(5)・中部大学(5)・東京学芸大(5)・鳥取大学(5)・日本大学(5)・山形大学(5)・防衛大学校(5)

公的機関
気象庁(101)・産業技術総合研究所(70)・防災科学技術研究所(63)・海洋研究開発機構(59)・国土地理院(18)・海上保安庁(16)・気象研究所(23)・建築研究所(7)・文部科学省(6)・宇宙航空研究開発機構(5)・統計数理研究所(5)・北海道立総合研究機構(5)

となります。もちろん他の大学にも研究者がいるところはありますし、大学によっては分野が限られることもあります。最近はホームページを作成しているところも多いので、実際に検討する際にはそういうものも参考にするといいでしょう。

研究者になるには、大学で物理や地学の基礎的な勉強をした後、大学院からより専門的な勉強をするとともに研究生活を始めます。そして、大学院で修士号や博士号を取得し、大学の教官や研究員になるというのが一般的です。役所や会社で地震に関係した業務につく場合も、大学及び大学院で教育を受けている方が有利といえます。

補足

文部科学省所管の一般の大学以外に、国土交通省(気象庁)所管の気象大学校や防衛庁所管の防衛大学校などに進学する道もあります。これらの大学校は在学中から各庁の職員となります。

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