会員、連携会員、協力学術研究団体 各位
日本学術会議事務局
平素より大変お世話になっております。
今般、会長メッセージ『日本学術会議の在り方に関する有識者懇談会「中間報告」及び「日本学術会議の法人化に向けて」について』が発せられましたので、下記のとおりご連絡いたします。
令和5年12月22日
日本学術会議会長
光石 衛
昨日(12月21日)開催された「第10回日本学術会議の在り方に関する有識者懇談会」において「中間報告」が取りまとめられるとともに、これを踏まえて、本日(12月22日)、「日本学術会の法人化に向けて」が松村内閣府特命担当大臣により決定・公表されたところです。
日本学術会議会長をはじめとする執行部は、有識者懇談会すべての会合に出席し、日本学術会議のこれまでの活動や、海外アカデミー、第26-27期の会員選考の結果などについて説明するとともに、会長としての抱負や意見を申し述べました。第5回有識者懇談会(11月9日)において、内閣府から法人化する場合の案が提示されたことから、以降の懇談会の場では、日本学術会議としての懸念点を繰り返し述べるとともに、懇談会の委員と意見交換をしてまいりました。
上記の経緯を経て、12月9日には臨時総会を開催し、声明「日本学術会議のより良い役割発揮に向けた基本的考え方 -自由な発想を活かした、しなやかな発展のための協議に向けて-」を取りまとめたところであり、その後の懇談会において、本声明についても御理解をいただくよう説明し、「日本学術会議第26期アクションプラン骨子」についてもより具体的な取組内容とともに説明いたしました。
このような議論を経て、昨日開催された第10回有識者懇談会において「中間報告」が取りまとめられました。さらに、この「中間報告」を踏まえて、本日、法人化の方針となる「日本学術会議の法人化に向けて」が決定・公表された次第です。
懇談会においては、日本学術会議がその果たすべき機能・役割を発揮するためにはこれまで以上の事務局体制の整備や予算が必要との意見を多くの委員からいただいた一方で、法人化という結論を急ぐような議論もあり、これに対しては、日本学術会議としてもたびたび懸念を表明してまいりました。
最終的に取りまとめられた中間報告及び法人化の方針においては、上記の声明で掲げた事項を含む懸念点に関して一定の反映がなされましたが、今後、これらの懸念が完全に解消される必要があると考えております。このことについては、中間報告において「臨時総会における声明等において、政府からの独立性・柔軟な自律的組織運営の確保、会員・会長選考の自律性・独立性、法人化による実質的機能減、安定的な財政基盤の確保、改革に伴うコストの考慮などが懸念事項として挙げられているが、仮に学術会議を法人化する場合には、独立性・自律性が現在以上に確保され、国民から求められる機能が十分に発揮されるような制度設計が行われるべきことは言うまでもなく、本懇談会からも政府に対して強く要請するところである。また、国による財政的なサポートについても、ナショナル・アカデミーの意義及び性格を踏まえて政府が必要な財政的支援を継続して行うことの重要性を、本懇談会としても改めて確認する」とされるとともに、岸輝雄座長から、声明の趣旨を踏まえ、学術会議が懸念している点を含め、学術会議の意見も聴きながら、制度の詳細について、注意深く検討していただきたいとの発言もあったところであり、日本学術会議としても、声明における懸念点の解消に向け、今後の議論に主体的に参画してまいりたいと考えております。
また、日本学術会議が本来取り組むべき活動をこれまで以上に推進していく必要があります。そのため、「日本学術会議第26期アクションプラン骨子」に基づく改革の取組について、今後、速やかに実現に向けて進めてまいります。
皆様の積極的な御参画、御支援をよろしくお願いいたします。