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【日本学術会議】会長メッセージ「日本学術会議の在り方に関する有識者懇談会の第3回会合の開催について」の発出についてNews & Topics

会員、連携会員、協力学術研究団体 各位

日本学術会議事務局

平素より大変お世話になっております。
今般、会長メッセージ「日本学術会議の在り方に関する有識者懇談会の第3回会合の開催について」が発せられましたので、下記のとおりご連絡させていただきます。

日本学術会議の在り方に関する有識者懇談会の第3回会合の開催について

令和5年9月29日
第25期日本学術会議会長 梶田 隆章

9月25日午前、日本学術会議の在り方に関する有識者懇談会の第3回会合が開催されました。第2回会合(令和5年9月6日)において懇談会構成員から、日本学術会議がどのような機能・役割を担うべきかを議論するために、学術会議が取り組んでいる活動について報告してほしいとのご意見がありました。また、座長の冒頭発言でも「学術会議の果たすべき機能・役割についてまずは議論し、その上で組織形態等へと論点を進める」という方向性が示されたことから、第3回会合では、日本学術会議が主として行っている、科学的助言、国際活動、普及・啓発活動を中心に報告を行いました。加えて、これも第2回で議論になった会員選考方式についても、あらためてコ・オプテーション方式について説明を行いました。冒頭、内閣府からは、前回懇談会構成員から出された、「学術」と「科学」という用語の法律上の異同についての質問に関して、ほぼ同義との説明がありました。

科学的助言に関しては、独立した立場からボトムアップで課題を抽出し、中長期的な未来を展望して総合的・俯瞰的に行っていることを強調しました。その上で、今期の特徴的な科学的助言を紹介しました。このうち、社会にとって重要でかつ対応が必要な問題である着床前遺伝学的検査についての提言に関しては武田洋幸第二部部長から、懇談会構成員からの質問を受けて、「見解研究活動のオープン化、国際化が進む中での科学者コミュニティの課題と対応-研究インテグリティの観点から-」に関しては吉村忍第三部部長から追加の説明を行いました。

国際活動に関しては、国を代表するアカデミーとして最も重要な役割の一つと位置づけており、学術のグローバルコミュニティとともに国際的に連携することにより、世界と日本の学術の発展を追求し、一国では対応できないグローバルな社会課題の解決に向けて貢献していることを報告しました。現在42の国際学術団体に加盟し、それらの運営や審議に参画していること、アジア学術会議の事務局を務め、アジア地域における学術の発展と交流を促進していること、G7のアカデミーをはじめ各国のアカデミーとともに共同で政策提言を行っていることなどです。今回私から行った報告の内容は、すでに内閣府のサイト上に公開された懇談会資料(資料1)でぜひご確認ください。

今回、審議会・有識者会議等の運営としてはやや異例のことと思われますが、懇談会事務局を務める内閣府から学術会議に対してかなり立ち入った質問があり、その回答に相当の時間を割かねばなりませんでした。その中には、たとえば、学術の独立性や「価値中立」の問題のような、時間をかけて考えるべき本質的な論点も含まれました。これらは、むしろ懇談会構成員間でしっかり議論していただき、ナショナル・アカデミーの機能・役割を考える際の前提として共通認識を深めていただくのが望ましかったようにも感じます。

有識者懇談会メンバーからは、一方で学問の自由に関する問題に始まり、他方で、個別の提言・見解の内容、現行の会員の任期の妥当性や外国人会員の可能性のような個別具体的な論点にいたる多様な意見が出されました。詳細は後日公表される議事録に委ねますが、私たちにはやや趣旨が汲み取りにくく、どのような回答が適切なのか、困惑する場面もありました。日本学術会議として回答できる事項と、むしろそれぞれ一個の科学者あるいは専門家として発言するのがふさわしい問題とがあり、後者について学術会議の役割・機能を検討する懇談会の場で意見を述べるのは、その場に相応しくないようにも感じられました。今後、有識者懇談会で学術会議としてどのように考え方を伝えられるのかは、まもなく選出される次期の執行部のもとでさらに検討が必要だと感じています。

有識者懇談会の今後の議論の進め方は有識者懇談会により決められますが、座長が冒頭で述べられた通り、「学術会議の果たすべき機能・役割についてまずは議論し、その上で組織形態等へと論点を進める」のであれば、今回も実に様々の意見が出されており、有識者懇談会として日本学術会議の機能と役割について見解を練り上げるには、なお時間を要するのではないかとの感想を抱きました。予算問題など、時間的制約で詳しく説明できなかった論点もあります。今後の審議の進め方の検討にあたって、この点への配慮をお願いしたいと考えます。

10月からは第26期がスタートします。私が会長として有識者懇談会で説明するのは今回で最後となります。新たに会員・連携会員となられる皆様や、10月の総会で選出される新執行部の皆様には、懇談会の場で私たちの積み上げてきた議論を理解いただき、あるべき日本学術会議を守り発展させていただくことを心よりお願い申し上げます。

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