日本学術会議事務局
平素より大変お世話になっております。
2022年10月24日、第332回幹事会を開催するとともに、日本学術会議の活動と運営に関する記者会見を行いました。記者会見冒頭の梶田隆章会長の挨拶(下記のとおり)のほか、国際学術会議(ISC)常設委員会委員選出、英国王立協会と日本学術会議によるネットゼロに向けた科学技術対話、学術フォーラム・公開シンポジウム等の開催予定についてご説明いたしました。幹事会資料及び記者会見で配布した資料は、日本学術会議のホームページに掲載しております。
まず、10月24日から26日に予定していた学術会議総会の開催の延期に関してご報告いたします。
ご承知の通り、学術会議の在り方の見直しについて、政府においてこの夏までに方針を出すべく検討が進められてまいりました。その結果は8月の臨時総会までに公表されるものと考えられたことから、当初の予定では臨時総会において本件の議論を行うことを考えておりました。結果的にそれは叶いませんでしたが、臨時総会でご挨拶いただいた当時の小林科学技術政策担当大臣からは、総会には間に合わなかったものの、「最終調整を行うところまでまいりました」とのお言葉もありました。
他方、8月の内閣改造により学術会議の担当となった山際大志郎大臣を9月初旬にお訪ねした際に、大臣からは政府と学術会議のコミュニケーションが不可欠であること、政府の方針について細部の確認等を進めており、準備が整ったら公表して、学術会議にも速やかに説明したいと考えていることをお聞きしておりました。そうした大臣とのやりとりも踏まえ、その後も事務局を通じるなど、あらゆる機会を捉えては政府方針の早期の公表を求め、また説明の機会を設けるようにお願いしてまいりました。直近では10月21日に、このお願いの趣旨を記した文書を山際大臣に宛てて送付したところです。
次回の総会は、会員任命問題に加えて、政府方針に対する日本学術会議の考え方を明示する大切な機会です。ところが、いま申し上げたような状況が続いて、その役割を果たすことが困難になることが予想されたことから、10月の総会開催は延期することとし、12月8日及び21日の2日間に開催することとしました。
学術会議の今後の在り方についての私たちの基本的な考え方は、昨年4月の総会で決定した「日本学術会議のより良い役割発揮に向けて」や、本年1月の総合科学技術・イノベーション会議の民間有識者議員による政策討議の取りまとめを受けた会長談話等で明らかにしてまいりました。公表されていないもとで政府方針がどのようなものかは推測したり予断したりできませんが、私たちとしては、人類普遍の価値としての学術に求められる役割を大前提に、あるべき日本 学術会議の形として私たちがこれまで示してきた考え方が尊重されることを強く願うとともに、政府方針の内容の如何によらず、そうした私たちの考え方に照らして内容を慎重に吟味し、広く国民のみなさんにお伝えする責務があると考えています。慎重な検討を踏まえて総会での審議ができるようにするために、引き続き、山際大臣と直接お目にかかってお願いすることも含めて、一刻も早く政府方針が公表されるように関係者に強く働きかけていく所存です。
続いて、次期(第26-27期)の会員選考については、4月の総会で決定された「選考方針」に基づき、選考委員会において検討を重ね、本日、会員選考における具体的な基準や考慮すべき事項の細目、選考の方式などを定める選考要領等を決定しました。近々、現会員・現連携会員に対し次期の会員及び連携会員の候補者の推薦を依頼し、併せて学協会等にも候補者に関する情報提供をお願いしたいと考えています。
また、国際的な活動として、国際学術会議(ISC)委員の選出と、英国王立協会との科学技術対話について、この後、高村副会長からご説明いたします。
最後に、今後の学術フォーラムや公開シンポジウムの開催予定について、この後、菱田副会長からご説明いたします。
私(梶田会長)からの冒頭の報告は、以上です。