日本地震学会強震動委員会 第43回研究会のお知らせ

 強震動委員会では,強震動研究の成果をより効果的に社会に役立てるための手がかりをつかむことを目的として,研究成果が社会でどのように活用されているかを知り,また,関連分野における最新の研究を学ぶため,強震動研究会を開催しております.

 このたび,以下の通り研究会を実施することが決定しましたのでお知らせ致します.日本地震学会会員・非会員に限らずどなたでも参加できます.どうぞ奮ってご参加下さいますよう,お願い申し上げます.

【第43回研究会の概要】
日時:2024年10月20日(日)講演17:30-18:30 (開場17:00)
開催方法:現地開催のみ(ハイブリッドなし)
会場:朱鷺メッセ 新潟コンベンションセンター3階中会議室301(新潟県新潟市中央区万代島6番1号)
参加費:無料
参加登録:不要

講師:片桐 昭彦 准教授(新潟大学)
講演題目:前近代における地震と史料
概要:
 本講演では、前近代の歴史地震研究における史料の性格と活用方法について考える。多種多様な史料のなかでも日記(古記録)と年代記を取り上げる。
 日記は記主が実際に当時経験・見聞したことが記されるため、記事内容の信頼性が高く、扱いやすい有効な史料である。しかし、古代・中世・近世初期の日記は、京都を中心に畿内のものがほとんどであり地域的に偏りがある。一方、年代記は、天皇等の代替や歴史上の事件などを年代順に列挙した年表記録であり日本各地に残っているため、近世初期以前の地方の歴史地震を知るには不可欠な史料である。ただ年代記は、後世に加筆・編集されたものが多いため、日記などの同時代に記された一次史料に比べ記事内容の信憑性は低い史料とされてきた。しかし、史料学的な検討(史料批判)を行えば、信頼できる記事を抽出することが可能である。
 そこで本講演では、歴史地震研究に欠かせない日記と年代記の特性と活用方法について、前近代に発生した地震の事例をあげながら紹介したい。


強震動委員会へ戻る

地震学会HPへ戻る

*このページは公益社団法人 日本地震学会 強震動委員会が管理・運営しています*